コーポレートサイトを作り直す時、先に整理したのは「何を売る会社に見せるか」でした

JUICE UPのコーポレートサイトを作り直すと決めた時、最初に考えたのはデザインではありませんでした。

いちばん先に詰めたのは、この会社を何の会社として見せるかです。

旧サイトには、DXやAI活用支援の文脈が強く残っていました。もちろん、その時点では必要な表現でした。ただ、いま注力したいのは、新規Webサービスの立ち上げや、補助金・助成金を活用したシステム開発です。サイトが古いままだと、会いたい相談と違う問い合わせが増えます。

だから今回は、「見た目をきれいにするリニューアル」ではなく、会社の見せ方を今の事業に合わせて作り直す仕事になりました。

まず、トップで何を言うかを決めた

最初にかなり時間を使ったのはトップページです。

コピー案は何度も変わりました。抽象的にすると何でも相談できる会社に見えます。逆に細かく言いすぎると、制作会社のサービス一覧のように見えます。

最終的には、

構想を、使われるWebサービスへ。

に置きました。

この一文にしたかったのは、次の3つを同時に残したかったからです。

  • 要件が固まる前から相談できる
  • 相談だけで終わらず、開発まで進める
  • 作って終わりではなく、実際に使われるところまで見ている

サイト全体の文章も、この軸から外れないように削っていきました。

「できること」は広げすぎず、受けたい相談に寄せた

トップの「できること」も、最初から今の形だったわけではありません。

何でも載せようとすると、

  • DX支援
  • AI活用支援
  • システム開発
  • Web制作
  • 業務改善

のように並び、結局どこに強いのか分かりにくくなります。

今のサイトでは、次の4つに絞っています。

  • 新規Webサービス立ち上げ
  • 会員・顧客向けWebサービス
  • 業務フローのWeb化
  • AI機能の実装

AIは残しました。ただし、AI導入そのものを売る見せ方ではなく、Webサービスの中に必要な機能として組み込む位置づけにしています。

この整理をしてから、問い合わせ文面や記事下のCTAも揃えやすくなりました。

補助金・助成金対応は、あとから追加しましたが重要でした

公開直前まで、トップには補助金・助成金の話を入れていませんでした。

ただ、案件獲得の現実を考えると、ここは落とせませんでした。補助金や助成金を使った新規事業開発では、開発会社にも通常案件とは違う対応が求められます。

  • 見積もりの内訳を整理する
  • 要件定義書や設計資料を用意する
  • 審査や確認時に開発内容を説明する
  • 採択後の開発計画につなげる

このあたりを何も書かないと、実際には対応できるのに検索にも相談にも引っかかりにくい。そこでトップに独立したセクションを追加しました。

ただし、補助金コンサルの会社に見せたいわけではありません。申請代行や採択保証を打ち出すのではなく、補助金案件に慣れた開発会社として何ができるかに絞って書いています。

ページ構成は、増やすより減らした

今回の改修では、下層ページを増やすより、トップで十分伝わることはトップに戻しました。

以前はサービス別ページを分ける案もありましたが、今の状態では、ページ数が多いことよりも、サイト全体で同じ話をしていることの方が重要でした。

残した主な導線は次の通りです。

  • トップ
  • 会社概要
  • 問い合わせ
  • 記事
  • お知らせ

この形にすると、訪問者が迷いにくくなります。紹介経由で来た人も、検索で来た人も、会社の要点を短時間で把握できます。

実装より面倒だったのは、問い合わせと旧URLでした

サイトを作り直すと、見える部分ばかりに意識が向きます。

でも実際に重かったのは、公開前後の運用です。

たとえば問い合わせフォーム。単にフォームを置くだけではなく、

  • GASへの連携
  • Slack通知
  • Gmail通知
  • スパム対策
  • 失敗時の扱い

まで考える必要がありました。

さらに面倒だったのが旧URLです。Googleには、以前の /dx/.../column/...、古いニュースURLが残っていました。何もしないと、検索結果から来た人が404を踏みます。

そこで、今のサイトで生かしていない旧URLはトップへ恒久リダイレクトする方針にしました。事例や資料請求の古いURLも、現行導線に無理に当てはめるより、まずトップへ戻す方が分かりやすいと判断しました。

リニューアルでは、こういう地味な後処理の方が、実装より長く効きます。

AIは「案を出す人」ではなく、「判断を詰める相手」として使った

今回もClaude CodeやCodexはかなり使いました。

ただ、役に立ったのは一発で正解を出してくれることではありません。

  • このコピーだと何の会社に見えるか
  • この導線だと問い合わせは増えそうか
  • 旧URLはどこへ返すのが自然か
  • OGP画像は今の訴求と合っているか
  • 構造化データやllms.txtは何を足すべきか

こういう判断を、雑な思いつきのままにせず、比較できる形まで持っていく相手として使いました。

実際、最初にAIが出した案をそのまま採用した箇所は多くありません。人が削り、言い換え、場合によっては方針ごと変えています。今回のサイトは「AIが作ったサイト」というより、AIを使って判断の速度を上げながら、人が編集し切ったサイトに近いです。

作り直して良かったのは、公開後も直せる状態になったこと

今回の改修では、Astro、GitHub、Vercelを前提にした構成に移しました。

一番の利点は、公開したあとも直しやすいことです。

実際に、公開後すぐに次のような修正を入れています。

  • 補助金・助成金セクションの追加
  • OGP画像の差し替え
  • 検索結果向けのmeta description調整
  • 構造化データとllms.txtの追加
  • 旧URLのリダイレクト整理

サイトは公開した瞬間に完成するものではありません。問い合わせや検索結果を見ながら、必要なところを直せる方が現実的です。

今回のリニューアルで手に入れたかったのは、まさにその状態でした。

まとめ

コーポレートサイトを作り直す時、デザインや技術選定はもちろん大事です。

ただ、それより先に決めるべきなのは、

  • 何の会社として見せるか
  • どんな相談を増やしたいか
  • 旧URLや問い合わせ運用をどう引き継ぐか
  • 公開後に直し続けられるか

でした。

今回はその順番で整理したことで、見た目だけでなく、事業の受け皿として使えるサイトに近づけられたと思っています。